日韓関係論文
強制連行問題と安部幹事長


強制連行問題

 二月一三日に開催された自民党の「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の総会で、文部科学省の金森審議官は、「強制連行」の用語が一般の歴史辞典や概説書にどのように記載されているかを紹介した後、検定でも現在の学説状況に照らしてこの用語を用いて記述することを許容している旨を明らかにした。更に次のような「強制連行」の定義を示したと言われる。

 <「強制連行」とは、一般的な学説状況では、「募集・官斡旋・徴用の三つの形態で行われ、それぞれの形態は異なっていても、これらはすべて国家の動員計画により、強制的に動員した」と解説されている。>

 これは大変大きな事である。金森審議官に次のことについて、出来れば文部省としての見解、それが無理なら個人的見解としてどの様に考えているのか、是非正して頂きたい。

一.強制連行と拉致は違うのか、違うとすればどの様に違うのか。
二.募集の段階で自由に応募した人も、国家の動員計画により、動員されたので、強制連行されたと解釈するのかどうか。
三.徴用された人も強制連行されたと認識しているのか。もし強制連行されたと認識されているなら、徴兵・徴用された日本人も強制連行されたと認識されているのか。
四.何回も頼まれ、断り切れてなって応募した人は強制連行に入るのか。
五.トラックに無理矢理乗せて連行した事例が本当にあったと認識されているか。もしあったとすれば、これは犯罪であり、国の方針と異なる。このような犯罪も国の方針としての強制連行と認識されるのか、否か。

 これらの質問により、「強制連行」とは如何に歴史を歪曲したものであるかが、明確になる。「強制連行」が歴史の歪曲であることが明らかになると、今まで彼らが主張してきたものすべてに、疑問符が付き、今までの彼らの組み立ててきた歴史の崩壊が近いことを感じさせる。

安部幹事長発言

 二月二八日のサンデープロジェクトで、重光外務大臣の例を引き、<A級戦犯で免責され、外務大臣になり、勲一等を貰った人もいる。それにも関わらず、今頃になって刑死者を断罪し、分祠するのは如何なものか>と述べた。全く妥当な意見であり、このような正論を述べた要人は始めてであり、大変頼もしく感じた。尚重光氏はA級戦犯として、懲役三年の有罪判決を受け、服役した人である。

 ただこの発言に対し、田原総一郎は<戦後六〇年近く、この問題を総括してこなかったことが問題である>と言った。とんでもない。昭和二八年八月社会党・共産党を含め満場一致で「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」が可決され、関係諸国の同意を得て、免責されたのである。この事実に基づき、重光さんが外務大臣になった。又起訴は免れたが、A級戦犯の容疑者として拘束されていた岸信介が総理大臣になれたのである。

 この事を是非安部さんに言って貰いたかったが、残念ながら言及はなかった。又、田原さんはこの事を知らないのだろうか。知らないのなら、不勉強極まりないし、知っていて言及しないのなら、卑怯である。  勿論この時の関係諸国の中に、現在の中国も韓国も入っていない。しかし靖国問題は基本的に内政問題であり、この両国にとやかく言われる理由がないのである。

 更に中国について言えば、当時中国を代表したのは国民党政府であり、国民党政府も戦犯の免責に同意している。従って現在の中国は「この赦免は認めるわけにはいかない」とは言えない筈である。何故なら、日中国交回復に当たり、「中国は一つである。中国は国民党政権の後継者として、国民党政府が日本政府との間に有する権利義務を継承する。その代わり、日本は台湾と断交しろ」との要求を飲み、台湾と断交した筈である。

 又、韓国は日本が大東亜戦争を始めたから独立できたのである。日本統治を非難して止まない韓国にとって、A級戦犯は独立の恩人であろう。