( 2013.07.31 )

  ……


 戦時中に日本で徴用された韓国人4人が新日鉄住金( 旧新日本製鉄 )に未払い賃金などを求めた訴訟で、 ソウル高裁が同社に対し1億ウォン( 約880万円 )ずつの賠償を命じた。 韓国では同様の訴訟に加え、 新たに日本企業を提訴する動きもあるというが、 そもそも今回の賠償問題は50年近くも前に解決済みの話。 そのうえ、 今回の判断に至るまでの 「韓国司法」 の論理は破綻気味だ。 韓国司法は政治や世論、 社会のムードに流されやすく、 今回の判断も慰安婦問題が根底にあるとされる。 司法という理性を失った国家のありようこそが、 日韓関係を悪化させている原因ではないか。




 今回の訴訟は戦前、日本製鉄( 新日鉄の前身 )での作業に応募し、日本に渡った男性( 90 )らが約束と異なった過酷な労働を強いられたとして訴えた。 ソウル高裁は判決で 「日本製鉄による募集、強制労働は、日本政府の朝鮮半島の不法な植民地支配と侵略戦争遂行に直結した反人道的な不法行為」 と認定した。

 日本政府は、男性らのような戦時徴用で日本にいた韓国人の賠償請求権について、昭和40年の日韓基本条約の付属文書である日韓請求権・経済協力協定で消滅したとの立場だ。 確かに協定には、日本が無償供与3億ドルと政府借款2億ドルなどの経済協力を約束した上で、両国とその国民( 法人を含む )の請求権に関する問題に関しては 「サンフランシスコ講和条約に規定されたものも含め、完全かつ最終的に解決された」 と明記されている。

 約50年間、そのことに異議を唱えたわけではない。 韓国政府も了解済み、解決積みの話なのだ。

 その上、男性らは平成9年、新日鉄と国に対し、謝罪と未払い賃金、慰謝料などを求めて提訴したが、大阪地裁で1、2審とも請求を棄却されている。




 「完全かつ最終的に解決された」 にもかかわらず、韓国最高裁は昨年5月、協定締結によって原告らの請求権が消滅していないとの判断を示した。 その理由について 「協定はサンフランシスコ条約に基づき、日韓間の債権債務関係を政治的に合意したもので、植民地支配に対する賠償を請求したものではない」 と指摘。 日本側が 「植民地支配の違法性を認めていない」 ことを問題視した。

 簡単に言えば、韓国司法が 「植民地支配は違法」 という論理を振りかざして、国家間で解決済みの話を、反故ほごにしようとしているだけのことだ。

 韓国の裁判所がこうした判断を示すようになったのは一昨年夏のこと。 憲法裁判所が元慰安婦の賠償請求に関し、韓国政府が具体的措置を講じてこなかったのは違憲だと判断したことが契機だ。 韓国政府に問題があるにもかかわらず、慰安婦問題という “世論” に押され、それが社会のムードと相まって、反日的な司法判断を連発する。 日韓関係が冷却化していくのも当然だろう。

 それは今回の判断に限ったことではない。

 例えば、今年1月には、ソウル高裁が靖国神社の門に放火した中国籍の男を一方的に 「政治犯」 と認定し、日韓犯罪人引き渡し条約に基づく日本側への身柄引き渡しを拒否した。 2月には、韓国の地裁が長崎県対馬市の寺から盗まれ韓国に持ち込まれた仏像の日本への返還を差し止めた。

 いずれの判断も、正常な理性が働いているとは到底思えない。




 「立法権」 を国会が、法律に基づく 「行政権」 を内閣がそれぞれ持ち、そして法律に基づく 「司法権」 を裁判所が担う。 互いを監視し、権力の行き過ぎを改めるのが三権分立だ。 それは民主主義国家の基本だろう。

 50年近くも前に合意した協定の存在を今になって否定し、独り善がりな判断を示すのは、権力の行き過ぎと言わずして何と説明するのだろうか。 韓国司法が三権分立のひとつの脚として成り立っていないのは明らかだ。

 韓国最高裁の判断後、菅義偉官房長官は冷静に、こう批判した。

 日本人の感情を逆撫さかなですることだけを考えているとしか思えない韓国司法のありよう ……。 “理性” を失った国は、チンピラ同然。 救う術もない。





( 2013.08.18 )

  

 朝鮮半島の日本統治時代に日本で戦時徴用された韓国人4人が未払い賃金などの個人補償を求めた訴訟で、被告の新日鉄住金( 旧日本製鉄、本社・東京 )が計4億ウォン( 約3500万円 )の賠償を命じられた7月のソウル高裁判決を受け、敗訴判決が確定した場合には賠償に応じる意向であることが17日、同社への取材で分かった。 元徴用工の賠償請求権問題については、日韓両政府とも昭和40年の日韓請求権協定で解決したとの立場を取っており、同社の判断は今後の同種訴訟や国内世論に影響を与えそうだ。

 新日鉄住金の訴訟をめぐっては、原告のうち2人が平成9年に日本で同様の訴訟を起こしたが、15年に敗訴が確定。 韓国でも確定判決の効力を認め1、2審が請求を退けていたが、韓国最高裁が昨年5月、個人請求権を認め、審理を高裁に差し戻した。

 新日鉄住金側はソウル高裁判決を不服として上告したが、最高裁で判断が覆される可能性は低いとみられる。

 同社は、 ( 1 )判決確定前に和解する ( 2 )確定判決に従う ( 3 )判決確定後も支払いに応じない ── との選択肢から今後の方策を検討。 ( 1 )では原告側が補償基金の設立を求めることも予測され、賠償の対象が立証の不十分な元徴用工にも拡大すると判断した。

 また、 ( 3 )の場合は、同社の韓国内の資産を差し押さえる強制執行が行われるとみられ、取引上の売掛債権などが対象にされる可能性を考慮。 同社幹部は 「取引先にまで影響が及ぶ可能性があり、確定判決を無視するのは困難」 としている。

 戦時徴用をめぐっては、三菱重工業( 東京 )に対しても7月、釜山高裁が賠償を命じる判決を言い渡した。 同様に上告の意向を明らかにしている同社は 「和解の予定はない」 とした上で、 「上告審で主張が認められると信じているが、万一敗訴が確定した場合には外務省、経済産業省など各方面と協力し適切な対策をとっていく」 としている。




 外務省北東アジア課の話 「『賠償の必要はない』 という認識で国と企業は一致していると考えている。 訴訟は係属中で、判決確定や資産差し押さえ後の対応について、仮定の話はできない」




 現代史家の秦郁彦はた・いくひこ氏の話 「協定上、賠償金を支払う義務は全くない。 日本政府は経済政策の中で揺さぶりをかけ、韓国内での問題解決を迫るべきだ。 進出企業への影響など配慮すべき点もあるが、痛みを伴わずに問題を解決させる妙案はない。 現状では日本企業側が命じられた賠償は高額でなく、韓国内の資産差し押さえがあっても影響は限定的といえるため、企業側にも 『我慢』 が求められる。 個人請求権をなし崩しに認めてしまえば同様に請求権放棄が確認されている中国でも問題が再燃しかねない」




 神戸大の木村幹教授( 朝鮮半島地域研究 )の話 「韓国で請求権協定が無視される事態が続けば、両国間の戦後処理が全般的に崩壊するだろう。 政府間の対話で解決できる段階は過ぎた。 協定は解釈上の問題が生じた場合に仲裁機関を設置すると定めており、これを韓国側に提案し解決にあたるべきだ。 国際法の専門家が精査すれば、今回の判決に問題が多いことは十分に理解されるはず。 韓国内での政治情勢などに絡んで解決がさらに先延ばしにされる恐れもあり、日本側からの積極的な働きかけが必要だ」





( 2013.08.18 )

   

 韓国人の戦時徴用をめぐる訴訟で、新日鉄住金( 旧日本製鉄 )が敗訴判決確定の際には賠償に応じる意向であることが17日、明らかになった。 「判決には全く納得していないが、一民間企業としてできることには限界がある」。 同社幹部の言葉には、国家間で締結された協定が “反故ほご” にされる異例の事態に巻き込まれた企業の苦悩がにじむ。 日韓対立の新たな火種になるのは避けられない情勢だが、政府側から積極的な対応策は示されていない。
       ◇◇◇◇◇

 「本当に法治国家なのか…」。 新日鉄住金の法務担当者は、ソウル高裁が7月10日に言い渡した判決文を手に、そうつぶやいた。

 判決は日韓請求権協定について、 「韓国政府が日本国内での個人請求権を外交的に保護する手段を失ったとしても、韓国内での請求権は消滅していない」 とする理論を展開。

 日本での確定判決の効力や時効成立といった法律に基づく主張に対しては、 「侵略戦争の正当性を否認するのが文明国家の共通価値」 「憲法が守護しようとする核心的価値に真っ向から反する」 などと 「道徳的社会秩序」 の観点を強調して退けた。

 さらに判決には、 「徴用などで人権を侵害した軍需産業の賠償さえ免責する日本の法律や規則は、戦争の反省に基づく日本国憲法の価値にも合わない」 と、日本の司法に “介入” する文言もあった。

 法務担当者は 「韓国は日本に近い司法制度を備え、少なくとも経済的なパートナーとしては十分な信頼を寄せていたのだが …。 補償問題だけにとどまらず、今後ビジネスができるのかも分からなくなる」 と不信感をあらわにする。

 韓国で 「復活」 した個人補償の請求権。 韓国の訴訟支援団体の一つである 「太平洋戦争被害者補償推進協議会」 によると、昨年6月の段階で旧日本製鉄の 「強制動員」 が確認された元労働者は名簿上3900人に上り、約180人以上に対し、提訴の意思確認を進めているという。

 韓国政府の 「強制動員被害調査委員会」 に被害認定を求めた元労働者は15万人を超えるほか、慰安婦としての申し立ても300人を突破。 徴用問題以外でも訴訟が広がる可能性がある。

 今回の判例を基に、多くの訴訟で原告側勝訴の判決が言い渡されるとみられ、日本企業は賠償の諾否を迫られることになる。

 支払いに応じれば日本国内で反発が広がることが予想される。 支払いを拒否した場合には韓国内の保有株式・債権や売掛金などの差し押さえを受ける可能性が高まる。 関係者からは 「日本の商社などを含め多くの取引先に迷惑をかけることになれば、賠償額の多寡に関わらず影響は計り知れない」 との声が漏れる。

 「国内批判」 と 「国際的な信用喪失」 の二者択一を民間企業に迫る事態だが、日本政府は 「賠償問題は解決済み」 との立場を堅持するだけで、静観の構えを崩していない。





( 2013.08.18 )


 韓国人にはどこか大胆不敵なところがある。 歌の文句ではないが、 「思い込んだら命がけ」 のような、信じるところへまっしぐらみたいなところがある。

 先年、東京のJR駅で線路に落ちた人を救おうと、飛び降りて犠牲になった韓国人留学生の勇気は、日本社会を感動させたが、そうした “義侠ぎきょう心” ともつながりがあるかもしれない。

 そのほかイラクやイエメンなどイスラム圏に出かけ、街で堂々と賛美歌を歌うなどキリスト教の布教活動をして問題になった韓国のキリスト教徒も、実に大胆不敵である。

 そのうえでの話だが、毎年、 「竹島の日」 に島根県に出かけ 「独島( ドクト:島のこと )は韓国のものだ!」 と叫んで反日デモをする韓国人もそうだ。

 逆に日本人が韓国に出かけて 「竹島は日本のものだ!」 とやろうものなら半殺しの目に遭うだろう。 いや、そもそもまず入国させてもらえない。

 8月15日に靖国神社にやってきて、安倍政権糾弾など反日パフォーマンスをやろうとした韓国の国会議員( 野党 )も同じだ。 靖国神社は彼らが敵対してやまない日本の右翼の “聖域” ではないか。

 多くの日本国民にとって戦没者慰霊の “聖地” である。 そんなところに外国人が出かけて反日デモをしようというのだから、常識では考えられない発想だ。

 韓国国内向けに愛国者ぶりを誇示したい、政治家によくある見え見えの反日パフォーマンスではあるが、 ある種の “甘え” だろうか。 日本を外国と思っていないような行動には驚く。 さすがに韓国マスコミにも批判が出ていた。 「まるで日本の植民地時代が続いていて韓国人が独立運動をやっているようだ」 と皮肉っていた( 16日付 「ハンギョレ新聞」 東京特派員 )。

 韓国併合という過去の日本統治の後遺症だろうか、それともすぐ近くにいるせいか、韓国人はなかなか “日本離れ” してくれない。 解放記念日がある8月など、マスコミで見る限り連日、日本、日本、日本なのだ。 8月のみならず、とくに安倍政権スタート以来、マスコミは 「極右軍国主義政権」 などと日本の話であふれている。

 一方で安倍政権に反対する動きも大歓迎で逐一、伝えられるから、まるで日本にいるかのようだ。 知識人たちにいわせると 「過去の歴史を教訓に日本への警戒が強いからだ。 被害者の心情を忘れてもらっては困る」 というが、いまだ韓国併合が続いているような日本への過剰な( ? )関心に、自己嫌悪感はないのだろうか。

 今から30年も前の夏、最初の教科書事件で反日運動が高潮した際、韓国では 「反日から克日へ」 が叫ばれた。 「克日」 とは 「日本を克服する」 つまり 「日本に勝つ」 という意味だが、これに対し当時の知識人は 「解放後数十年過ぎたが、われわれの意識を引き締めるのにまだ日本という刺激が必要なのだろうか?」 と痛切に自問していたことを記憶する( 1982年8月19日付 「朝鮮日報」 識者座談会 )。

 日本が嫌いならもっと日本を無視していいはずなのに。 韓国人の対日感情の不思議なところだ。





( 2013.08.20 )

 


 朝鮮半島の日本統治時代に日本の製鉄所で強制労働をさせられたとして、韓国人4人が新日鉄住金を相手取って損害賠償を求めた訴訟に関し、 「敗訴判決が確定した場合は新日鉄住金が賠償に応じる意向」 という一部メディアの報道について、新日鉄住金は2013年8月19日、
「当社は、先般のソウル高裁の判決は、徴用工等の問題を完全かつ最終的に解決した1965年の 『日韓請求権協定』、すなわち国家間の正式の合意を否定するなど不当な判決だと考えており、7月30日に大法院( 韓国最高裁 )に上告いたしました。 今後、大法院にて、当社の主張の正当性を明らかにしていく所存です」
 と発表した。 「新日鉄住金の意向は政府判断と異なる」 との報道を否定した形だ。

 戦時徴用訴訟をめぐっては、13年7月10日にソウル高等裁判所が、新日鉄住金に対し原告の請求通り計4億ウォン( 約3400万円 )の支払いを命じていた。





( 2013.08.20 )
 

 戦時中に日本で徴用された韓国人らが日本企業に賠償を求めた韓国での訴訟で、被告の新日鉄住金( 旧日本製鉄 )は敗訴が確定すれば賠償に応じる意向とされる。

 だがこれは新日鉄住金だけの問題ではない。 日本がこれまで積み重ねてきた戦後処理の枠組みが崩壊する恐れがある。

 日本企業は賠償に応じるべきでない。 ことは、日本と韓国の国家間の取り決めにかかわる重大問題である。 「賠償の必要はない」 とする国は、日本企業を全面支援すべきだ。 静観は許されない。

 問題の判決は先月、ソウル高裁と釜山高裁で出された。ソウル高裁は新日鉄住金に韓国人元徴用工1人につき1億ウォン( 約880万円 )、釜山高裁は三菱重工業に同8千万ウォン( 約700万円 )の支払いをそれぞれ命じた。

 いずれも判決理由で、徴用を 「日本の不法な植民地支配と侵略戦争に加担した反人道的行為」 と決めつけた。 新日鉄住金は韓国の最高裁に上告したが、判断が覆される可能性は低いという。

 繰り返すまでもないが、昭和40年の日韓国交正常化に伴う日韓請求権・経済協力協定で、日本が無償3億ドル、有償2億ドルの供与を約束し、両国とその国民( 法人を含む )の請求権問題は 「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」 と明記された。

 にもかかわらず、新日鉄住金が賠償に応じる意向に傾いたのは、賠償を拒否した場合、韓国内の資産を差し押さえる強制執行が行われ、取引先に影響が及ぶことを懸念したためとみられる。

 

 日本政府はこの問題を企業だけに任せず、日本企業の保有資産への強制執行など公権力が行使されないよう、韓国政府に強く働きかけるべきだ。

 三菱重工も上告する意向で 「敗訴が確定した場合、外務省、経済産業省などと協力し、適切な対策をとっていく」 としている。 韓国で同様の訴訟が5件進んでいる。 被告企業側は 「国との協力」 で足並みをそろえてほしい。





( 2013.08.08 )

 

 日韓関係に絡み、韓国で常軌を逸した司法判断が相次いでいる。 今月早々、近代法の原則である 「事後法の禁止」 を逸脱する憲法裁判所の判断が下されたほか、7月には1965年に消滅した個人賠償請求権を認める高裁判決が2件も出た。 国際弁護士として活躍し、テレビ番組 「行列のできる法律相談所」 で人気を集めた自民党の丸山和也参院議員は 「韓国は法治国家になっていない」 と怒りの声を上げた。

 サッカー東アジア・カップ男子の日韓戦( 7月28日 )で、韓国側がスポーツに政治を持ち込み、テロリストを称賛したことが問題視されているが、韓国では、平等・公正であるべき司法権もおかしくなっている。

 各国の司法に精通する丸山氏は 「国際的に見て、韓国は法治国家とは言いづらい。 政治的非難をそのまま法律にしている。 法的体裁をとった 『政治的反日報復行為』 というしかない。 あり得ないですよ。 先進国から 『文化レベルの低い国だ』 と思われても仕方ない」 という。

 丸山氏がまず指摘したのは、4日に韓国憲法裁判所が下した判断だ。

 日本による統治支配時代に爵位を得た 「親日派」 の財産を没収し、国有化する法律を合憲としたのだ。 当時は何ら違法ではなかった行為を、後に作った法律で断罪する “禁じ手” を司法が認めてしまった といえる。

 「日本の韓国統治は西欧諸国の収奪型支配と異なり、韓国の資本家や有力者と一緒になって道路、電力、学校などのインフラを整備した。 財産を没収される 『親日派』 は朝鮮の近代化に貢献した人たちだ」 ( 丸山氏 )

 韓国司法の異常さはこれだけにとどまらない。

 7月10日と30日には、日本統治時代に戦時徴用された韓国人に未払い賃金などの個人補償を命じる高裁判決があった。 賠償問題は1965年の日韓請求権協定で 「完全かつ最終的に解決した」 とされており、韓国政府も元徴用工の対日請求権を認めてこなかったが、12年5月に憲法裁判所が認める判決を下し、今回の高裁判決につながった。

 丸山氏は 「請求権協定で解決したのに、裁判所が請求を認めるのは国際的な合意に韓国国内法を優先させるもので話にならない。 韓国の司法が政治の道具になっている証拠だ」 と指弾する。

 実は、丸山氏は国際弁護士時代、韓国との事件で苦い経験をしている。

 約15年前、丸山氏は韓国企業を相手取った国際仲裁事件の日本企業代理人となり、数千万円の債権を勝ち取った。 韓国の裁判所でも判決の効力が承認されたが、なかなか判決の執行ができない。 裁判所が債権回収に動こうとしなかったのだ。四方八方に手を尽くしたものの、債権回収ができなかった丸山氏に対し、検事OBの韓国人弁護士はこう教え諭したという。

 「韓国では日本への恨みがあって、日本人のために韓国人の財産を没収するなんてことはやりたくない。 そういうレベルなんだよ」

 もはや法治国家のレベルを超えて、韓国は 「善悪の判断」 すらできないのではないか。

 安倍晋三首相は、民主主義や 「法の支配」 を共有する国との連携を強化する価値観外交を進めるが、丸山氏は 「司法と政治の区別すら確立できていないようでは、価値観外交のパートナーとして、韓国は合格点に達していない」 という。

 それでも韓国は、日本にとって輸出相手国第3位で、北朝鮮をめぐる安全保障上の利害も共有している。

 一方、安倍首相は就任以来、朴槿恵パク・クネ大統領と会談を行っておらず、閣僚による靖国参拝に韓国政府は批判を強めている。

 丸山氏は 「韓国の歴史認識を是正するために毅然として対応し、経済や安全保障の協力関係は実務重視で淡々と進めるべきだ」 と指摘し、安倍首相に 「毅然とした平和主義」 を貫くよう求める。

 「日韓首脳会談はそれなりのメドが立たないとやっても意味がない。 焦る必要はない。 靖国参拝はあくまで国内問題であり、他国から内政干渉を受けるべきものではない。 安倍首相は少し遠慮しているかもしれないが、どうせ参拝するというなら365日、靖国神社を参拝すればいい」

 朴大統領は、首席秘書官に知日派を起用するなど、雪解けに向けた期待も日本政府内にはあるが、今月15日の終戦記念日( 韓国では 「光復節」 )には反日機運が盛り上がるのが確実。 安倍首相には腰を据えた対韓姿勢が求められそうだ。





( 2013.08.21 )
韓国、
 姿
  


 終戦の日の8月15日、歴史認識問題で対日批判をエスカレートさせる中国、韓国の動向を各メディアが伝えた。

 68回目の終戦の日を迎えたこの日、安倍晋三首相は靖国神社への参拝を見送り、自民党総裁名で玉串料を奉納した。 中国や韓国との関係悪化を避けるため、首相としては参拝せず、自民党総裁として私費で玉串料を奉納することで、戦没者に尊崇の念を表する姿勢を示したかたちだ。

 しかし、安倍首相や閣僚の靖国神社参拝をめぐっては、やはり中国と韓国から批判が相次いだ。 同日付朝日新聞によると、中国外務省の洪磊副報道局長は14日、 「日本側が言動を慎み、実際の行動でアジアの人民や国際社会の信を得るよう促す」 と参拝を控えるように求めるコメントを発表。 また、中国共産党機関紙 「人民日報」 の国際版 「環球時報」 ( 電子版 )は、中国軍が15日に浙江省象山沖の東シナ海で実弾射撃演習を行うと伝え、朝日新聞は 「日本の閣僚らの靖国神社参拝を牽制する狙いがありそうだ」 と分析している。

 韓国からは、国会議員3人と同党幹部らが来日。 安倍政権の 「右傾化」 を糾弾するため、15日に靖国神社へ向かったが、右翼団体などとのトラブルが予測されたため、警察の制止を受け、神社から離れた場所で抗議活動を行うにとどまったと、同日付読売新聞( 電子版 )などが伝えている。

 この韓国議員らの靖国神社訪問に限らず、韓国では反日姿勢がますます強まっている。

 ソウル高裁は7月10日、第二次世界大戦中に日本の工場に強制徴用された韓国人4人が、新日鉄住金に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、同社に4億ウォンの損害賠償を命じた。 8月15日付日本経済新聞は、この判決をはじめ、戦時中の強制徴用や従軍慰安婦問題をめぐって、1965年の日韓合意に反する判断が韓国の司法で相次いでいると伝えた。

 日本と韓国は65年に国交正常化した際、日韓請求権協定を締結している。 日本が無償3億ドル、有償2億ドルの経済協力資金を払うことで、韓国が日本に対する一切の請求権を放棄することで決着した。 協定には 「請求権の問題は完全かつ最終的に解決された」 と明記されている。 日本経済新聞は、韓国の行政・司法は世論の動きに流されやすく、 「憲法の上に 『国民情緒法』 がある」 としたうえで、 「一連の判決は、国家優先から人権重視へ移行する国際社会の潮流を、韓国の裁判員が感じ取った結果」 との、東北アジア歴史財団の都時煥研究員のコメントを掲載している。




 これに怒りの声をあげているのが、国際弁護士で参院議員の丸山和也氏だ。 丸山氏は9日付夕刊フジで 「請求権協定で解決したのに、裁判所が請求を認めるのは国家的な合意に韓国国内法を優先させるもので話にならない。 韓国の司法が政治の道具になっている証拠だ」 と強く指摘している。

 ジャーナリストの田原総一朗氏も、韓国の対日姿勢が強硬になっている理由を 「韓国国内の問題だ」 との見解を示している。 田原氏は日経BPネットで連載するコラムで、 「国内に問題がある時は、国民の関心を外に向ける」 のが韓国のパターンだと述べ、今の状況には韓国経済が危機的状況にあることが影響していると分析した。

 そして、田原氏は韓国の対日姿勢がエスカレートするもうひとつの理由に、 「日本外交のだらしなさ」 もあげている。 韓国の朴槿恵大統領は今年5月、訪米してオバマ大統領と会談したうえに、米議会の上下両院合同会議で演説を行った。 これに対して、今年3月に訪米した安倍首相はオバマ大統領との会談後、共同会見すらできていない。 さらに、朴大統領、中国の習近平国家主席のいずれとも会談が実現しておらず、田原氏はこの状況を 「日本は国際社会で外交力がいかに弱く、根回しやお膳立てがいかに下手かという実態をさらけ出しているかのようだ」 と厳しく指摘。 「外交をどう立て直すのか。 そのためのお膳立てをどう行うのか。 こうした問題に全力で取り組むべきである」 と述べている。

 反日感情を強める韓国や中国に、日本政府はどう対応するべきか。 終戦から68年、日本政府は戦略性を持ち、より明確なスタンスを示す必要があるのかもしれない。