韓国問題


( 2014.04.13 )


 朝鮮戦争( 1950~53年 )は北朝鮮軍による突然の奇襲攻撃で始まり、首都ソウルはたちまち陥落し北朝鮮軍に占領された。 その後、米軍( 国連軍 )の支援でソウルを奪還し、その勢いで韓国・国連軍は北朝鮮軍を中朝国境まで追い詰めた。

 しかしそこで中国軍が30万の大兵力で軍事介入し、北朝鮮軍とともに再び南下してきてまたソウルは占領されてしまった。 51年1月4日。 「1.4後退」 といわれ多くの避難民がソウルの南に逃れた。

 この話を思い出したのは、先ごろ韓国政府が対中国友好策として、韓国に埋葬されていた戦争当時の中国兵の遺骨( 437体 )を中国に送還し、それが友好美談として大々的に報道されたからだ。 遺骨は中国でも大々的に迎えられ瀋陽の 「抗美援朝烈士陵園」 に安置された。

 中国は朝鮮戦争への介入を 「米国に抗し北朝鮮を支援した正義の戦争」 といい、戦死者は 「烈士」 として英雄になっている。

 しかし 首都まで占領された韓国にとって中国の軍事介入は 侵略 である。 被害は人的、物的なもののみならず、侵略者・金日成政権を中朝国境まで追い上げ、韓国主導の南北統一までいま一歩のところを中国に妨害されたのだ。

 ところが 韓国は政府もマスコミもこの過去について、92年の国交正常化時を含め中国に 「謝罪と反省」 を求めようとしない「侵略」 か 「正義」 かで歴史認識は完全に対立しているが中国には 「正しい歴史認識」 や 「歴史認識の一致」 を要求しないのだ

 いや、本当は要求したいだろう。 過去を 「反省」 させ 「今後は韓国( 朝鮮半島 )への軍事介入( 侵略 )は繰り返しません」 と約束させたい。 しかしそれにこだわると国交正常化もその後の友好・協力・親善もうまくいかないので、棚上げにして黙っているのだ。

 韓国は 「中国とは歴史認識が一致しなくてもいい」 というわけだ。 日本向けとは異なるこの矛盾した韓国の “二つの顔” に日本の世論はうんざりしている。

 中国の習近平国家主席は先にドイツ訪問の際、大学での講演で日本軍国主義を非難する一方、 「中国は長い間、強大国の地位にあったが他国を侵略した記録はない」 と語ったと韓国マスコミが北京発で伝えていた。 しかし 韓国政府もマスコミもこれに対し 「妄言」 と批判、非難し、中国政府に抗議したという話は一向に聞かない





( 2015.05.16 )

 

 先にインドネシアで 「バンドン会議60周年記念」 の国際会議が開かれ安倍晋三首相が演説した。 バンドン会議は第二次世界大戦後に独立したアジア・アフリカ諸国が反植民地主義や民族自決、世界平和などを掲げ1955年に開催した。 インドネシアのスカルノ大統領、インドのネール首相、中国の周恩来首相、エジプトのナセル大統領が中心となり後の非同盟運動のきっかけになった。

 日本は60年前の会議にも招かれた縁があり今回、安倍首相が出席したが、韓国人にはこれが理解できなかったらしい。 「日本は侵略国で韓国を支配した植民地主義の国だったはずなのに」 というわけだ。

 知り合いの韓国マスコミのOBも首をかしげていたので 「いや、東南アジアや中東、アフリカ諸国には、日本はアジアが欧州の植民地支配から解放されるきっかけを作ったと評価する声があるからだ」 と説明したところ驚いた表情で 「そんなはずはないだろう」 という。

 「日本はアジアを侵略、占領した」 というので 「いや日本による占領は数年間で、アジア諸国にとっては欧州諸国による長期の植民地支配から解放されたことの方がはるかに重要だったからだ」 と重ねて説明したが最後まで認めようとしなかった。

 知識人に属する韓国人でもこの程度なので、多くの韓国人は 「日本は今もアジアの国から恨まれている」 と誤解し思い込んでいる。 韓国が 「アジア」 というときは、イコール韓国と中国ということでほかの国は視野に入っていないのだ。

 いつもジコチュウで視野が狭いため、バンドン会議60周年会議で安倍首相の演説に過去の歴史に対し反省だけがあって謝罪が入っていないと批判したのは、参加もしていない韓国だけだった。

 先に日本の外務省が戦後日本の対外協力の実績を紹介した映像の広報資料を発表したときも、韓国だけがデタラメだといって非難している。 とくに韓国のことを取り上げたわけでもないのに映像の一部に韓国の製鉄所や地下鉄、ダムなどの写真が入っているのを見て韓国だけが反発した。

 さすがに政府は何も言わなかったが、マスコミは準国営のKBSテレビや最大手の朝鮮日報が先頭に立って 「韓国の経済発展は日本のおかげとはとんでもない!」 「妄言だ!」 と意地になって日本を非難した。

 アジアの他の国は何も言っていない。 しかも実際は韓国が経済・技術援助をはじめ最も日本の影響を受けて発展したことは国際的には常識なのだ。

 韓国政府が日本との国交正常化( 1965年 )の際に、過去の支配に対する補償として受け取った対日請求権資金5億ドルだって、韓国の経済発展の基礎になったことは韓国政府発行の 『請求権資金白書』 ( 76年刊 )に詳述されている。 国交正常化50周年の今年、記念事業としてこの白書を日韓双方で復刻出版してはどうか。

 ことほど左様に韓国はアジアできわめて特異な国なのだ。 18日にはインドのモディ首相が韓国を訪問するが、朴槿恵大統領はモディ首相と歴史談議をしてみてはどうだろう。 インドは100年近く英国に植民地支配されたが 「おたくの謝罪・反省・補償要求はどうなってますか?」 と聞いてみればいい。 今、世界で韓国だけが歴史にこだわった外交をしていることが分かるだろう。





( 2015.08.23 )


 終戦70年にあたって出された安倍晋三首相の 「談話」 は、韓国ではまるで韓国のためのものであるかのようにマスコミを中心に異様な関心が示されたが、結果的には安倍首相の “判定勝ち” だった。

 目配りと工夫がこらされた 「安倍首相の歴史認識」 に韓国は戸惑った。 「韓国」 がなかなか見当たらなかったからだ。 しかしマスコミは日本に対しては 「和解」 も 「寛容」 も考えていないので、予定通り 「自分の言葉で謝罪がない」 と非難して終わった。 「もう日本に謝罪を求めてもしかたない」 といった “謝罪要求疲れ” を感じさせる論評も出ていたから、それだけでも安倍談話は成功だろう。

 韓国政府の公式論評が翌日に持ち越されたのも戸惑いの結果だ。その代わり朴槿恵パク・クネ大統領の 「8・15光復節記念演説」 があったが、演説は安倍談話に対し 「物足りない部分が少なくない」 としながらも 「謝罪と反省」 の言葉を評価し、 「今後、日本政府の誠意ある行動」 に期待するとしている。

 「不満だが今後を見守る」 というのは、韓国が対日外交で事態収拾の際によく使う言い方だ。 つまり、これまで官民挙げて熱を上げてきた安倍談話をめぐる “反日外交” が一件落着したことを意味する。

 その後すぐ韓国政府は朴大統領が9月3日に中国が行う 「抗日戦争勝利70周年記念行事」 に出席すると発表した。 こちらは 「やっぱり行くのか」 と思いつつ不思議な感じがする。

 まず韓国は歴史的に中国共産党軍の “抗日戦争” とは関係ない。 戦前、中国共産党軍に加わっていたのは後に北朝鮮で金日成キム・イルソン政権を作った共産勢力であり、この両者は1950年からの朝鮮戦争では一緒になって韓国を侵略した。 その結果、中朝は韓国打倒の 「血盟関係」 になったのではなかったか。

  朝鮮戦争で中国軍はソウルの南まで侵攻している。 中国軍の介入で戦争は長引き韓国は膨大な死傷者を出した。 中国軍が介入しなければ国連軍・韓国軍の反撃で北方に追い詰められた金日成の北朝鮮は崩壊し、南北の自由統一は実現していたかもしれない。

  韓国の公式的な歴史認識でいえば中国は侵略者であり、南北統一の妨害者なのだ。 ところがその中国に対し、韓国は 「謝罪と反省」 など一度も要求したことがない。 中国も 「謝罪と反省」 どころか 「英雄的戦い」 といってあの戦争を今も自賛している。

  92年の韓中国交正常化後、数多くの首脳会談があったが朝鮮戦争をめぐる 「歴史認識」 「歴史清算」 「謝罪と反省」 が話題になったことはない。 しばしば韓国の外交当局者に 「なぜ要求しないのか」 と質問したが 「中国は応じないから」 が答えだった。

  とすると日本への執拗しつような要求は、日本なら応じると思われているからということになる。 日本への甘え?

  朴大統領は習近平国家主席に日本の悪口をいうのではなく 「中国の歴史認識」 という自分たちのことを語ってほしい。 中国に言えないのなら日本にも今後、遠慮してほしい。 「歴史認識」 など外交的にはいつでも棚上げするものということを確認し合ってもいいけれど。