大日本史番外編 「 朝鮮の巻 」
京城という表記


日本人がソウルを漢字で「 京城 」と書くと差別者扱いされますが‥‥‥
「 韓国人の歴史観 」 黒田勝弘 平成11年 文春新書
「 ソウル 」か「 漢城 」か

ところで余談だが、中国は今なお韓国の首都・ソウルを「 漢城 」と表記している。政府も民間もそうである。「 漢城 」とは朝鮮王朝( 李氏朝鮮 )時代の首都名である。中国と服属関係にあって「 朝鮮 」という国号から年号制定など、あらゆる分野で中国に従っていた李氏朝鮮である。首都の「 漢城 」にもまた「 漢( 中国 )の城( まち )という意味合いが込められ、そのように命名されたのだろう。あるいはそう見られても仕方ない。「 漢城 」は日本支配時代に「 京城 」に変えられた。「 京 」とは「 みやこ 」である。よって「 京城 」とは「 みやこのまち 」となるが、1945年に日本支配から解放された後、韓国は首都の名前を「 漢城 」でも「 京城 」でもない「 ソウル 」と命名した。漢字表記のない固有の名称として韓国人のナショナリズムが込められている。したがって愛着もひとしおである。

韓国政府は中国との国交正常化に際し、この首都名の表記を「 漢城 」ではなく「 ソウル 」にしてほしいと要望したのである。しかし「 ソウル 」には本来、漢字表記がない。そこで韓国政府は中国語の外来語表記として「 ソウル 」にあてはまる漢字の音をさがし、「 首烏爾 」なる表記を考え出した。「 首烏爾 」の漢字音が「 ソウル 」の音に最も近く、さらに「 首 」の字が入っているため首都にふさわしい表記だというのだ。
しかし中国側は韓国政府の「 首烏爾 」案に対しまったく関心を示さなかった。これでは韓国の首都をイメージできないというのである。韓国政府やマスコミ( 世論 )がその後、中国側に「 首烏爾 」を要求し続けているという話はない。

筆者は韓国の著名な歴史学者でナショナリストの大学教授から自分の住所を「 漢城市… 」と記した名刺をもらったことがある。聞くと、研究活動で中国や台湾を訪問する機会が多いためそう表記しているのだという。韓国人は中国に対しては限りなく寛容である
日本人がソウルを「 漢城 」と書くとどうなるのか?

漢陽( ハニャン )/漢城( ハンソン )
「 漢陽 」は李氏朝鮮の時代に使われた名称。公式的には「 漢城 」であった。中国、台湾など北京語を使う国では、ソウルに相当する漢字表記がないこともあり、長らくソウルのことを( 旧名である )漢城といい、仁川国際空港近辺などの韓国の道路交通標識にもハングルと併記で「 漢城 」と表記されていた。ただし、新表記の「 首爾 」( 後述 )が制定されたことに伴い、徐々に状況は変化している。

京城( キョンソン )
「 京城 」は日本統治時代(1910年 - 1945年)に使われた名称。正式名称は「 京城府 」。歴史的仮名遣では「 けいじやう 」と表記。実際には1945年以降も数年間使われている。また、李氏朝鮮時代の公式資料の中でも見受けられる。ただ、現在では日本統治時代を連想させるという理由により、差別用語と主張される場合がある。しかしながら一部商店の名前などにはいまだに「 キョンソン 」の名称が残っていることもある。また、日本では未だに使われる場合も見受けられ、京城と書いてソウルと読む者もいる。

首爾( ソウル )
ソウル特別市庁は2005年1月18日から「 ソウル 」の中国語表記を「 首爾 」と定めた。それにもかかわらず中国側は認めようとせず引き続き「 漢城 」との旧称を使用している

中国人に発音通り呼んでもらおうと、ソウル市が「 ソウル 」の漢字表記を「 首爾 」としたが、中国のメディアがニュースで使い始めた、と韓国外交通商省が明らかにした。  ソウルは韓国語で、「 都・首都 」の意。中国の表記は「 漢城 」が一般的だが、中国語の発音で「 ハンチョン 」となり、ほかの地名と紛らわしかった。郵便物の誤配が目立つのに加え、中国との歴史摩擦も手伝って「 韓国が主導的に漢字を定め、正確に読ませるべきだ 」との声が高まり、ソウル市が専門家を集めて1年がかりで漢字を選定、1月に発表した。

自分達の呼び名をこうしてほしいと、他国の言語まで干渉する。

ソウル市は19日、「 ソウル市の公式中国語表記を現在使用中の『 漢城 』から『 首爾 』に変更することを決めた 」と発表した。昨年1月に「 ソウル中国語表記改善推進委員会 」を構成、新しい表記法を公募した後、インターネット調査を実施しながら改善案を議論してきた。
推進委員長は「 首爾はソウルに最も近い発音で、柔らかい感じを与える。また『 随一の都市 』という意味を持ち、最も適しているという評価を受けた 」と決定の背景を説明した。
ソウル市はインターネットホームページをはじめ、中国語で発刊される各種印刷物や表示板の表記を首爾に改め、国内外機関、官公署、企業にも積極的に広報する計画だ。

ソウルの漢字表記変更案 → 中国は認めず

 韓国首都ソウル市の中国語表記を、従来の「 漢城( 中国語読みでハンチョン ) 」から、韓国語音に近い「 首爾( 同ショウアル ) 」に変更したところ、「 漢城 」を使用してきた中国が応じる気配を見せず、乱れが露呈している。
中国には長年の慣例を尊ぶ意識が強く、「 首爾 」が中国語圏で認知されるかどうかは不透明だ。
 今回の決定はソウル市長が発表したもので、「 首爾 」には「 第一の都市 」との意味も込められている。表記変更の理由として〈1〉ロンドンやモスクワは中国語で「 倫敦( ルントゥン ) 」「 莫斯科( モースーコー ) 」と現地音に沿って表記している〈2〉韓国語音に近い「 首爾 」であれば、名称の混乱はなく、なじみやすい‥‥などを挙げた。
 しかし、中国側で、国営新華社通信をはじめとするメディアは記事の中で引き続き「 漢城 」を使用。航空各社の離着陸便表記も「 漢城 」のままで、「 首爾 」を認めるムードはない。
 中国紙「 新京報 」は「 新表記を受け入れるかどうかは中国語圏の国の権利に属すことであり、韓国はそれを尊重しなければならない。単なる表記の問題ではなく、歴史的習慣や経済コストにもかかわる問題だからだ 」との論文を掲載。
 中国の冷淡な反応の背景には、漢字文化圏の盟主としてのプライドも影を落としていると見られるが、「 漢城 」と「 首爾 」が併存する状況が続けば、新たな混乱が拡散する可能性もある。

以前、中国に行った日本人が自分の名前を漢字で示すと、向うの読み方で読まれるものだから、怒った人が多かった。中華思想の国ですから、自分が一番、そして自分のやっていることは正しい、だから、外国人の名前でも漢字で書かれれば、中国読み。一貫しているのですが、融通がききません。
で、今回は韓国が中国にお願いしたのですが、中国の「 イヤダ! 」で終わったようなものです。